スタジオの楽屋でおたおたとしながら、アンジェリークはアリオスのサポートをしていた。
アリオスは著名なメイクアップアーティストで、雑誌、CM、舞台、はたまたファッションショーまでこなしている。彼を指名するトップモデルや女優も多く、いつもアンジェリークはやきもきしている。
そう、彼女は、アリオスのアシスタントでありながら、恋人でもあるのだ。
今日も、彼のキツイ言葉が、彼女に降りる。
「おい! クレドポーの下地!!」
「はいっ!!」
仕事では、このような具合である。
今日の現場は、ファッションブランド『PULP』の雑誌、アドボード向けの写真撮影である。
出演モデルのメイクが一段楽し、二人が廊下に出ると、スタッフが緊張な面持ちでばたばたと走り回ってる。
「おい、どうしたんだ?」
アリオスは事の真相を知りたくて、顔見知りのアシスタント・ディレクターのランディを呼び止めた。
「あ、アリオスさん。天使役で、オスカーさんと絡むはずだったモデルのコが、真っ黒に日焼けしてスタジオに現れたものだから、モデリストのオリヴィエさんが、イメージに合わないって怒って追い返しちゃったんですよ。それで、代わりのモデルを当たることになって、この騒ぎです」
「新たにオーディションして、選びなおして、撮影は後からでも出来るんじゃねーか?」
「ところが、このメインキャラクターのオスカーさんが、明日から、ミラノ、パリ、ロンドン、ニューヨークのコレクションのファッションショーサーキットに出てしまうから、今日じゃないとダメなんですよ。2か月は帰ってこないから…」
困ったようにランディは溜め息を吐き、眉根を寄せた。
アリオスも方を軽く竦めて見せる。"大変だな"と
「ちょっと! あんたどこで油を売ってんのよ!!」
目ざとくランディを見つけたオリヴィエの罵声が廊下に響き渡り、彼は思わず首を竦める。
「ったく…、すぐにサボろうとする…」
ずんずんとオリヴィエはすごい勢いで歩いてきた。その美しい顔は不機嫌そうに歪んでる。
「ああ。オリヴィエ、俺が引きとめたんだ。何の騒ぎだと思ってな」
「とにかく、あなたももう少し待機してもらうことになるから」
「了解」
アリオスは即座に振り返り、彼の陰に隠れるようにして立っていたアンジェリークに、伝える。
「だ、そうだ」
彼女の顔がアリオスの陰から現れたときだった。
「あー!!」
物凄い勢いのオリヴィエの声が、辺りの空気を切り裂く。
嫌な予感がすると、アリオスは思う。
こういう時の予感というのは、大概当たってしまうものだ。
「見つけたわ!! このコ絶対あのモデルよりイメージよ!!」
興奮したオリヴィエは、アリオスを押しのけ、強引にアンジェリークの手を握った。
「私の一生のお願い!! ね、一回だけでいいから、モデルになって?」
迫られて、訳がわからず、アンジェリークは困ったような瞳をアリオスに向ける。
あからさまに不機嫌な表情を彼はする。
直にその視線にオリヴィエは気づいた。
「ね、アリオス!! この通り、この通りだから彼女を貸して!!」
オリヴィエは心から懇願する。
たまに助けてもらうことも有り、彼の申し出を断ることは出来ない。
「イイゼ・・・。但し、モデルがいやがらなければな・・・」
金と翡翠の瞳は、激しさの影が揺らめき、アンジェリークは背筋に冷たいものが走る。
「さ、お許しでたよ!! あんたでいくからね!! 決定!!」
「あの」
「後で、後で!!」
アンジェリークは返事をする暇を与えられず、そのままオリヴィエに引きずられるようにして衣裳部屋に連れて行かれた。
残されたアリオスは、益々険しい表情になり、その場にいるものが威圧される雰囲気を出している。
その空気を察したランディが、いち早く"仕事"とかこつけて逃げ去ったのは言うまでもなかった。
-------------------------------------------------------------------------------------
アリオスが待つ楽屋に、天使の衣装を纏ったアンジェリークが現れたのは、ほんの10分ほど後だった。
彼女が纏う「PULP」の白いワンピースは、少し胸の部分が開いているAラインのスタイルで、どこかノスタルジックな雰囲気を出している。
メイクなどしなくても、彼女は十二分に天使に見える。
自分だけの天使を、人の目に曝したくないと、アリオスは独占欲にさいなまれていた。
しかも、相手が、あのオスカーである。
オスカーは、男の色気で売っているナンバーワンスーパーモデルである。メンズのコレクションは、レディースに先駆けて行われるが、彼と競演したい一心で、女性スーパーモデルたちが、我こそはと、刺身の妻程度の出演すらも厭わない。当然、彼もプレイボーイとしてならしており、その毒牙にかかればアンジェリークなどは一溜りもないのだ。
「手早くね〜」
アンジェリークを置いて、オリヴィエが楽屋から立ち去ると、二人っきりになった。
「----おい、座れ」
「うん」
アンジェリークは、いつもと彼の雰囲気が違うことにびくびくしながら、ドレッサーのイスに腰掛けた。
鏡越しに真摯な眼差しを宿した彼が見える。
思わずうっとりと見つめてしまう。
「アンジェ」
「あ、はい」
低い声で囁かれて、アンジェリークは現実に引き戻される。
「よく見ておけ。これもメイクの勉強だ」
「はい」
彼女の返事を合図に、彼は基礎化粧と下地を縫った後、手の甲にリキッドのファンデーションを乗せ、人肌に温める。
「ファンデーションの色は首の色で決めろ。おまえは色が白いし、肌も綺麗だから顔色をよくする程度でいい。RMKの102ぐらいだな。瞼にエスティの白いコンシーラーを塗り、シャドウが綺麗に乗るようにする。目の下は、少し明るいコンシーラーを叩き込む。これでクマが隠せる。後は、立体感を見せるために、鼻筋は明るく、輪郭は少し暗めのコンシーラーを使う」
アリオスは、繊細な指で、彼女を美しい"天使"にしてゆく。彼女の勉強になるようにと、ゆっくりと説明を加えながら、メイクをする。
彼の繊細な指がその頬に触れるだけで、アンジェリークは全身に甘い旋律を覚え、身震いする。
「アイブロウは、パウダーの方が自然な幹事が出るからパウダーを使う。粉は、ルクレールのバナーヌ。これが最も顔色をよくする。アイラインは、ペンシルでまつげの隙間を埋めるように描くんだ。シャドウはケサランパサランのホワイトでアクセントをつけてから、ヘレナのスペクタキュラーライナーの1で仕上げ、目の下には白のラインを入れる。睫は、ビューラーで上げた後、クレドポーのブラックマスカラで仕上げ。チークは、頬骨から対角線上に、インウィのオレンジを塗る」
ここまで終わったところで、アンジェリークの魅力はすでにかなり引き立てられていた。
「後は、リップか…」
「・・えっ?」
突然アンジェリークの顎を持ち上げると、自分を刻み付けるような激しい口づけを、彼は彼女に与える。
それは所有の証。
甘い吐息と共に開いた彼女の唇に、舌を侵入させ抗うことが出来ない激しさで、彼女を愛してゆく。
唇を吸われ、激しく愛撫をされて、離されたときには、アンジェリークの唇はぷっくりと膨らんでいた。
「これで唇をふっくらと見せられるぜ?」
彼本来のイタズラっぽさが戻ってきて、アンジェリークはほっとして、彼を見つめる。
口づけの後で彼女の蒼い瞳は僅かに潤み、夢見るように開かれている。
アリオスは、はっとして思わず息を呑む。
誰もが構わずにいられないほどの不思議な魅力を彼女は湛え、目が離せなくなる。
「そんな瞳、俺以外の男に向けるなよ?」
彼の凛とした所有欲に、彼女ははにかんでしまい、軽く俯き加減になる。
「判ったら、返事しろ」
耳朶を甘く噛まれて、アンジェリークはそれこそ林檎のように顔を赤らめて、コクリと一度だけ頷いた。
「よし」
彼女だけのために僅かに甘い微笑を浮かべると、アリオスはメイクボックスから1本の口紅を取り出す。
「RMKの24番。これがおまえには一番似合うからな。唇を軽く開け」
アンジェリークが蕾のような唇を僅かに開くと、アリオスは紅筆で丹念に口紅を縫ってゆく。
それがとても官能的に思えて、アンジェリークは心臓が早鐘のように打つのを感じた。
「仕上げは、RMKのクリアオレンジのグロス」
彼女の唇の丁度中央にグロスを乗せ、立体感をつけた。
「ちょっと、グロスを付け過ぎちまったな」
アリオスは軽い口づけでグロスを取ったが、付けすぎたのはわざとだという事をアンジェリークは知っている。
何だかそれが嬉しくて、彼女は軽くふふと笑った。
「最後は髪だな…」
アンジェリークの艶やかな栗色の髪を櫛で梳いてから、アリオスは白い花をあしらうだけにした。
これだけで、彼女は十分に"天使”に見える。
「完成だ。スタジオの行くぜ?」
---------------------------------------------------------------------------------------
「なあオリヴィエ、まともなモデルなんだろうな? このオスカーを待たせるんだから」」
「それは任せてよ! 当初案で出している子より、ずっと"天使”みたいなんだから」
待たされたことへの不満が顔にありありと表れているオスカーを、オリヴィエは何とか宥めようとしていた。実際、彼が口にした一言は、本当に彼が思っていたことだったのだが。
「ホントにそうなんだろうね?」
肝心のデザイナーのセイランも疑い眼でオリヴィエを見ていた。
「ホントだってば!!」
俄かに、スタジオの空気が一変する。アンジェリークが、アリオスと共に現れたのだ。
「あ!!」
彼女の純潔な美しさに、暫し、誰もが息を飲む。
「アンジェちゃん!! アリオス、ナイス!」
オリヴィエは、イメージ以上に"天使”そのものであるアンジェリークに、感嘆の声を上げて、駆け寄った。もちろん、心からの安堵と共に。
「とっても綺麗!! アンジェちゃん…」
「有難うございます」
はにかむよいな笑顔をアンジェリークはオリヴィエに向け、彼はそれだけでメロメロニなる。
そこにいた誰もが同じだった。
彼女のその笑顔に、誰もが魅了されてしまったのだ。
もちろん、面白くないと感じてる人物が約一名いた。
アリオスである。
思い通りにいかないことで駄々をこねる子供のような表情をして、アンジェリークを困らせる。
彼の所有欲は増し、手が腰に添えられ、その力が増す。
「おい、俺を紹介してくれよ」
「僕も」
もちろん、この愛らしい天使に、オスカーもセイランも黙っているはずがない。
「俺はオスカー。今日は宜しくな」
ニヤリと甘い微笑を浮かべ、左眼を軽く瞑ると、彼女の手をそっととって軽く唇を当てる。
「あ・・、あの…、宜しくお願いします」
オスカーの男の色気に少しどぎまぎとしながら、恥ずかしそうにアンジェリークは挨拶をした。
彼女の腰に置かれた手が更に強くなる。
アリオス、完全に怒ってるよ〜!!!
即座に彼女の表情は少し張り詰めてしまった。
それに気がついたのか、アリオスはようやく力を緩めてくれ、アンジェリークはほっとしたのもつかの間。今度はセイランである。
「僕は「PULP」のデザイナーセイラン。そのワンピースが似合ってるよ。全く、デザイナ−冥利に尽きるよ」
彼はさらりと髪を揺らしながら、彼独特の甘さを含んだシニカルな微笑を浮かべると、軽く彼女の頬に口づける。
アンジェリークは真っ赤になった後、直に真っ青になる。信号機のようにころころと顔色が変わる。
それもそのはずで、彼女の王子様の不機嫌度が頂点を増し、とうとう彼女の腰から手を外し、スタジオから出て行ってしまった。
「あ、アリオス!!」
彼を追いかけようとして、アンジェリークはオリヴィエにその肩を掴まれた。
「ダーメ! これから直に撮影だよ!!」
------------------------------------------------------------------------------------------
「カメラマンのチャーリーです。よろしゅうに!! かわええモデルさんやな〜ホンマ」
カメラマンは撮影の最中、モデルを誉めるのは鉄則になっているが、この声はチャーリーの本心だった。
ライトの下で、アンジェリークは緊張の面持ちで身を固くしていた。
「お嬢ちゃん、俺のリードに合わせて」
「はい・・・」
甘くオスカーに囁かれても、不安は一向に改善されない。
その多くの原因は、嫉妬で怒って出て行ってしまった、彼女の愛しい人がその一端を担っている。
「はい! 撮影いきまーす!!」
チャーリーの掛け声と共に、アリオスがスタジオ内に戻ってきて、彼女がよく見える場所へと陣取った。
彼は不機嫌そうだったが、戻ってきてくれたことに、アンジェリークは心からの安堵の溜め息を吐いた。
彼女の緊張が緩和される。
「はい、それでは、楽しいことを想像してニンマリと笑ってください。はい、オッケ!!」
チャーリーに促されるように、アンジェリークは動いてゆく。最初はぎこちなかったが、徐々に表情も柔らかくなってきた。
「はい、今度は楽しそうにおっかけっこ!」
彼女のその姿を見守るようにアリオスは身じろぎもせずただじっと彼女だけを見つめている。その眼差しは、嫉妬の炎でゆれ陽炎を作っている。
「何そんな恐い顔してんのよ」
「オリヴィエ」
いつのまにか隣にはオリヴィエが立っていた。
「あの子いいわね。モデルとしてはいい素質を持ってる」
アリオスはじろりと冷徹に彼を睨みつける。
「判ってるわよ、これ一回だけって言うのは」
そこで言葉をおいて、オリヴィエは少し優しく笑う。
「アンタ、あの子を嫉妬で縛り付けるのはやめなよ。さっきも出ってちゃったから、あの子不安そうにしてたもの」
「煙草を吸いに言っただけだ。スタジオは禁煙だからな」
「ホントにあんたって、どうしようもなく意地っ張りで、あの子に惚れてんのね?」
アリオスはちらりとオリヴィエを見たが、無言だった。
「はい、じゃあ、オスカーさん、天使を捕まえて!!」
チャーリーの声にアンジェリークは、きょとんとしてしまい、そのままオスカーに捕まえられる。
彼の腕の中に華奢な体がすっぽりと納まり、彼女は困惑する。
「はい、オッケ」
その声と共にアリオスを見やると、彼はそれこそ背筋が凍るような視線でこっちを見ている。
彼女の瞳は困りきってしまった小動物のような眼差しになり、それがかえっていい表情を造る。
「はい、じゃあオスカーさんの腕の中で納まる天使。見つめあう二人。楽しそうに」
言われても、先ほどのアリオスの眼差しが忘れられず、アンジェリークは上手く笑えなかった。
「はい。ブレイクします!」
休憩の声がかかると同時に、アリオスはアンジェリークの手を取ると、そのまま楽屋へと引っ張ってゆく。
「え、ちょっと、アリオス?」
スタッフが呆然と見守る中、二人は楽屋へと消えた。
「ね、ちょっと、皆に頼みたいことがあるんだけど!!」
二人が消えた後、スタッフ全員にオリヴィエから声がかかった。
「あのね・・・、撮影なんだけれど・・・」
楽屋に入るなり、アリオスはいきなり彼女を激しく口づけた。
嫉妬に狂った彼の口づけは深く、口腔内を余すことなく愛撫されて、アンジェリークの頭は白くなってゆく。
体を支えきれなくなり、彼に体を預けると、彼は優しく彼女の体を支えてくれた。
ようやく唇が離され、アンジェリークの息も速くなっている。
「消毒だ」
アリオスは彼女の顔にキスの雨を降らせ、手は彼女の体を弄ってゆく。
「ん・・・、あっ・・・」
「おまえの全身を俺で消毒してやる」
アリオスの激しさが、アンジェリークには嬉しかった。
ここまで猛烈な嫉妬をされて、彼が激しくなるのは初めてだった。
「撮影終わったら、俺のマンションに直行だ」
「ん・・・」
彼の唇が、彼女の胸元に降りたその時だった。
ドアがノックされ、二人ともその身を固くする。
「ね、何やってるかは訊かないけどさ、もう直撮影再開だから、二人揃ってきてね!!」
ドア越しにオリヴィエの華やいだ声が聴こえた。
「ああ」
「そ・れ・と、ちゃんと口紅塗りなおしておいでよ〜」
総てを見抜かれていて、二人は苦笑した。
-------------------------------------------------------------------------------------------
アンジェリークとアリオスがスタジオに戻って来、撮影が再開となった。
「はい! ここでオスカーが次の仕事に行っちゃったから、モデルを代えて撮影続行します!!」
オリヴィエの突然の宣言に、アリオスとアンジェリークは互いの顔を見合わせた。
嫌な予感が彼の脳裏にまたよぎる。
「さっきと同じシチュエーションで、行きます。モデルは、天使の隣の銀色の兄さんやで?」
「何で俺が!!」
予感的中。不機嫌に眉が顰められる。
「あんた、アンジェちゃんを他の男に絡ませんのヤなんでしょ? だったら、ほら照明の下に」
耳元で囁かれ、余りにも図星な意見に彼は暫し言葉をなくした。
「ね、アリオスとだったら…、頑張れるから」
にこっと可愛らしい微笑を傍らの天使に浮かべられると、彼は落ちたも同然。始めてあったときから、その笑顔にはめっぽう弱いのだ。
「はい。決定!!」
オリヴィエに促されて、二人は照明の前にたった。
「はい、撮影行きます!!」
「はい、それでは、楽しいことを想像してニンマリと笑ってください。はい、オッケ!!」
チャーリーに促されるように、ふたりは動いてゆく。今度は最初からアリオスが一緒のせいか、表情も柔らかい。
「はい、今度は楽しそうにおっかけっこ!」
彼女はイタズラっぽい微笑を浮かべて走り出すと、まるで子供のように声を上げて笑いながら、嬉しそうに駆け回る。
その姿が可愛らしく、アリオスの口元に自然と笑顔がほころぶ。
「はい、じゃあ、アリオスさん、天使を捕まえて!!」
チャーリーの声にアンジェリークは、益々走り回り、彼の腕から逃れようとする。
しかし、狭い場所のせいか、簡単にアリオスに手を伸ばされて、彼の逞しい腕にすっぽりと華奢な体を包み込まれた。
背後から包み込まれて、彼女は、恋する少女そのものの、華やいでいてどこか恥ずかしそうに穏やかに微笑みながら、彼の手に自分の手を重ねた。
感嘆の溜め息がスタジオから漏れる。
「ええやん! めっさ最高!! じゃあ、見つめ合って、お互いのおでこだけつけて、お互いに穏やかに笑って!!」
興奮気味のチャーリーから出た注文は、二人のベストショットを生み出した。
アリオスとアンジェリークがお互いを愛しげに見つめ、穏やかな光に充ちた光をお互いに与え合っている。
もちろん、互いの口元には微笑みが浮かんでいる。
「オッケ!!!」
チャーリーの声が響くと、スタジオ内は絶賛の拍手が渦巻いていた。
--------------------------------------------------------------------------------------
撮影も無事終了し、アリオスとアンジェリークは彼の車でマンションへと向かう。
「今日、嬉しかった・・・。アリオスと一緒にお仕事できて…」
「ああ。俺もおまえが綺麗で嬉しかった」
彼の言葉は、いつでも彼女をとろけさす魔法の力を持っている。彼女は恥ずかしそうにふふっと笑う。
「マンション行って、さっきの続きな?」
「…も、バカ…」
幸せそうな二人を乗せた車は、一路、アリオスのマンションへと向かう。
恋人たちの甘い時間のために。
その後「PULP」の広告は、オスカーXアンジェリーク、アリオスXアンジェリークの二パターンが町をにぎわせた。
しかしその中でも、アリオスとアンジェリークの互いに笑い逢っているタイプのものと、アリオスが背後から抱きしめているものは、ポスターの盗難が殺到し、世の中の甘い溜め息を誘っていた。
しかし、モデルの素性は、全く公開されていない-----

コメント
「皇子の舞踏会」のエリィ様に捧げるアリオス嫉妬なSWEETでございます。
おめでとうございます!!! HP開設!! そのお祝いです。
エリィさまいかがですか? リクエスト通りだったら嬉しいですが、なんせtinkの創作はヘボいので、クーリングオフがききますよ!!
最近、嫉妬するアリオスをよく書いているせいか、だんだんアリオス苛め(笑)が快感になってきたような・・・。
{天空」サイトのエリィ様のHP出、しかもあんなにステキな雰囲気なのに、こんなヘボいの乗っけて頂いていいのでしょうか?
ちなみに、本文でアリオスが使っているコスメは、tink御用達です。
タイトルは、「誰よりも大事にする」というニュアンスで。けっして、「てんとう虫のサンバ」は思い浮かべないで下さい(笑)
![]()